咬合性外傷とは、バランスよく歯が咬み合っていないことから起こる歯の損傷です。人間の咬合力(咬む力)は通常50kg〜100kg程度と言われており、歯は隣り合う歯と支えあいながらその力を分散することで均衡を保っています。しかし、一本の歯がバランスを崩したり、歯並び的にしっかり咬み合っていなければ、時間の経過とともに徐々に歯はダメージを蓄積しています。歯へのダメージは咬合面(咬み合っている面)にも現れますが、時として歯の根を支える骨(歯槽骨)をも侵襲していきます。ダメージを受けた骨は徐々に歯を支えきれなくなり、最終的には破壊され、歯が抜けてしまいます。
咬合性外傷の進行は、奥歯から始まります。奥歯はひと目につかず「1本ぐらいなくても」と放っておかれる方もたまにおられますが、実は咬み合わせにとってもっとも重要なのがこの奥歯なのです。奥歯がなくなると咬み合う力を支えることができなくなり、家の屋根とおなじように「ペシャッ」と潰れてしまいます。
柱を失った屋根がどうなるかというと、写真の前歯のように前に倒れながら潰れて、最終的には前歯も失うことになります。これが咬合崩壊です。1本の抜歯が全ての歯を失う原因となる。これが咬合性外傷の怖さなのです。28(32)本あるんだから1本ぐらいと考えるのではなく27本を支えるための1本だと考え、歯に違和感を感じたらすぐにご相談下さい。
咬合性外傷の治療として考えられるのは、抜けてしまってからの欠損補綴と、抜けるまでの予防として歯の定期検診が挙げられます。欠損補綴となると1本の欠損であれば入れ歯やブリッジも可能ですが、どちらもバネをかけたり歯を被せるために健康な歯を削ることになります。
独立して同じ支えとして機能させるとなると、自由診療のインプラントが考えられます。どの治療法にしろ、失った歯は戻りませんので、やはりお口の健康を考えた場合の選択は「予防」ということになってきます。歯の定期検診に通っていれば、レントゲンや精密検査でその徴候を発見することが可能です。歯が歯槽骨を破壊し始める前に、歯の高さを調整したり、歯並びを改善することで歯を失うリスクを下げることができます。
1本の歯から残りの歯の寿命が短くなることがあります。特に咬合性外傷は50歳前後から急速に抜歯の原因となる病気ですので、きちんと定期検診で予防することをおすすめします。
顎(あご)から音が鳴る、口が大きく開けようとすると痛い・開かない、顎(あご)が痛い。それは顎関節症の症状かもしれません。他にもそこから派生し、肩こりが酷い、偏頭痛がするなどの弊害が現れることも・・・。顎関節症は、自然になるものもありますが、痛みがある異常原因があることがほとんどで、その原因を除去することが症状の緩和だけでなく将来的なお口の健康にも役立つものであると考えます。
顎関節症の原因は、少し前まで「咬み合わせ」であると言われていました。現在では多因子病因説といって、様々な要因が絡みあうことで症状をもたらすという、いわば原因を特定するのが困難な病気とされていますが、原因は大きく分けて以下のものがあります。
前述した咬み合わせはもちろん、打った・ぶつけたなどの外傷や、身体の構造的な問題、あるいは習癖が要因となっていることもあります。現在ではその習癖が問題であることが最も多いともされていますが、こればかりは人によって違いますので、一つ一つ改善していくことで要因を探ることが根本的な治療につなげる手段であると考えられます。
視診・問診・資料によるチェック
顎関節症の自然経過を調べた研究では,顎関節症は時間経過とともに改善し,治癒 していく疾患であることが示されています。顎関節症患者の自覚症状は保存的治療によ って良好に緩和することがほとんどです。そのためできるだけ保存的で可逆的な治療を行うことが推奨されています(※1)。歯の治療後から顎関節症が発生した場合、もちろん考えられる原因は咬み合わせであるというとです。その場合は咬み合わせをしっかり診断し、歯を削ったり高さを調節しながら、スプリントという装着物(マウスピース)により痛み・炎症の原因の緩和や顎位の調整を行います。また、歯ぎしりが原因である場合もマウスピースの着用により緩和されます。審査・診断を行った上で歯科的要因以外が原因として考えられる場合は然るべき機関にご紹介させていただくことも可能です。
参考文献
歯並びや咬み合わせは「生まれつきのもの」と、気にされない方も多くいらっしゃいます。確かに歯並びは遺伝が大きく影響する上に、咬み合わせも決まってきます。 しかし、悪い歯並びや咬み合わせは見た目に問題があるだけではなく、自分の歯を長持ちさせるためにも改善する必要があります。
歯並びを治したいと歯科に通われる方のほとんどは、「審美的」、すなわち見た目の改善を図りたい方が大半を占めます。 反対に歯科医院から矯正をおすすめする場合は見た目も去ることながら、「自分の歯を健康的に長持ちさせる」ためであることが主となります。 歯並びが悪いと、自分では磨けない・磨きにくい場所が多くなり、そこにむし歯菌や歯周病菌が溜まりやすくなり、むし歯・歯周病になりやすくなります。 また、しっかり噛み合っていない歯は、支えとしての役割を果たせていないために、周りの歯を弱くする原因になることもあります。 これらの歯並びの大半は「歯列矯正」で改善することが出来、それによってむし歯や歯周病になるリスクを大幅に下げることが出来ます。
咬み合わせが悪いと、顎の関節が悪くなり口が開けにくくなることもあったり、顔のゆがみや歯ぎしりによる歯の摩耗がひどくなることもあります。 咬み合わせは小さな問題でしたら高さを調節したり、マウスピースなどの対処療法なども考えられますが、大きく変える場合は歯列矯正で改善することもあります。
歯並びや咬み合わせでお悩みでしたら、まずはご相談にお越し下さい。叢生や反対咬合、前突や顎関節症、それぞれ放っておくより治した方が良い場合が多々あります。 また、早めに治療することによってその先正しい咬み合わせで過ごせる期間は長くなります。少しでも「治してみようかな?」と思うようであれば、お気軽にご相談下さい。 また、当院から歯並び・咬み合わせについてご指摘させて頂いた場合は、ご自身の人生に関わることだと思い、しっかりご検討頂ければと思います。
下記費用は自由診療の場合の費用です。保険適用可能な治療の費用は全国一律で同じで、当院でも受診いただけます。
種類 | 説明 | 料金 |
---|---|---|
![]() 咬合治療 通常症例 |
診断・精密検査1の上、スプリント(マウスピース)による痛み・炎症の原因の緩和や顎位の調整を行います。 リスク・副作用 |
50,000円 税込55,000円 |
![]() 咬合治療 難症例 |
診断・精密検査の上、スプリント(マウスピース)により痛み・炎症の原因の緩和や顎位の調整を行います。難症例の場合、通常よりも精密な処置・施術を行います。 リスク・副作用 |
100,000円 税込110,000円 |
![]() 調整料 |
スプリントの調整や経過監察、顎位・咬み合わせの高さ調整。 | 1回/5,000円 税込5,500円 |
下記費用は自由診療の場合の費用です。保険適用可能な治療の費用は全国一律で同じで、当院でも受診いただけます。
種類 | 説明 | 料金 |
---|---|---|
![]() 咬合調整 |
咬合紙などを用いて上下の歯の不正な接触関係を確認し、咬み合せの調和がとれるように削合することで、顎関節への負担を減らすことで炎症や不快感を抑える方法です。 リスク・副作用 |
30分/5,000円 税込5,500円 |
![]() スプリント マウスピース |
診断・精密検査の上、スプリント(マウスピース)によって痛みや炎症の原因を緩和し、顎位の調整を行います。難症例の場合は通常より精密に処置を進めていきます。 リスク・副作用 |
20,000円 税込22,000円 |
![]() 診断料 |
エックス線撮影法、歯科用CTをはじめとした画像による診断、咬合紙を使った咬み合わせの診断、顎の動きの検査などを行います。 | 10,000円 税込11,000円 |
種類 | 説明 | 料金 |
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![]() 矯正相談 |
矯正治療についてのご相談。 | 0円 |
![]() 精密検査料 |
パノラマレントゲン・セファロレントゲン・顔面写真・口腔内写真・咬合模型・光学印象等、歯列矯正に必要な診断資料を採取します。 | 30,000円 税込33,000円 ※矯正治療費に含まれます |
![]() マウスピース矯正 インビザライン |
透明のワイヤーのないマウスピース型の装置を使用し、歯を動かします。マウスピースの枚数により費用は異なります。 マウスピースの材料は厚生労働省の認可を得たものですが、インビザラインは完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。 治療期間…2〜3年、治療回数…10〜15回 ※マウスピース型矯正装置は調整料のいらないトータルフィーです。 |
両顎600,000円〜850,000円 税込660,000円〜935,000円 ※軽度660,000円(税込660,000円) ※中等度700,000円(税込770,000円) ※中等度以上850,000円(税込935,000円) ※精密検査料30,000円含む |
![]() メタルブラケット |
金属のマルチブラケット装置を使用する歯列矯正です。少し前までは最もポピュラーなマルチブラケット装置でしたが、金属が目立つデメリットがあり、使用者は減少傾向にあります。 治療期間…2〜3年、治療回数…24〜36回 |
600,000〜700,000円 税込660,000〜770,000円 ※別途調整日毎の調整料 |
![]() クリアブラケット |
クリアブラケットという透明のマルチブラケット装置を使用する歯列矯正です。透明なで目立ちにくく、アップル歯科ではポピュラーな矯正です。 治療期間…2〜3年、治療回数…24〜36回 |
①調整料都度払い…720,000円 税込792,000円 ②トータルフィー…850,000円 税込935,000円 ※①②選択可 ※精密検査料30,000円含む |
![]() MTM(部分矯正) |
1本~数本だけを動かす矯正です。適応には限りがあります。 治療期間…4〜6ヶ月、治療回数…5〜6回 |
100,000円~300,000円 税込110,000〜330,000円 |
![]() マウスピース矯正 インビザラインGo・GoPlus |
インビザラインの中で審美部位(前歯)に特化したマウスピース矯正です。1番(前歯)から5番目(第二小臼歯)までの歯を矯正するインビザラインGoと、1番〜6番(第一大臼歯)までを矯正するインビザラインGo Plusがあります。インビザラインGoは6・7番、インビザラインGo Plusは7番の歯が咬み合っていることが条件となります。 マウスピースの材料は厚生労働省の認可を得たものですが、インビザラインGo・インビザラインGo Plusは完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。 治療期間…5〜12ヶ月、治療回数…5〜6回 |
400,000〜500,000円 税込440,000〜550,000円 ※精密検査33,000円(税込)含む ※ホワイトニング込(希望者) ※マウスピース矯正は調整料が含まれたトータルフィーです。 |
![]() マウスピース矯正 インビザライン エクスプレス |
軽微な部分矯正(1歯〜2歯程度の移動)や矯正治療後の後戻りに対する再治療等に適したマウスピース型矯正装置です。最大7ステージ、追加も1回程度のライトな矯正のプランになります。適応には限りがあります。 マウスピースの材料は厚生労働省の認可を得たものですが、インビザライン エクスプレスは完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。 治療期間…3〜6ヶ月、治療回数…3〜4回 |
350,000円 (税込385,000円) ※精密検査料30,000円含む ※マウスピース型矯正装置は調整料のいらないトータルフィーです。 |
![]() 舌側矯正 |
歯の舌側に着けるオーダーメイドのブラケットです。目立ちにくい装置ですが、滑舌に多少影響します。 治療期間…2〜3年、治療回数…24〜36回 |
(両顎)1,400,000 円 税込1,540,000円 (コンビネーション) 1,100,000 円 税込1,210,000円 |
難加算 | 歯の移動が難しい場合、治療が難しい咬み合わせの場合には加算があります。 |
マウスピース矯正 30,000円~100,000円 税込33,000円〜110,000円 ワイヤー矯正 100,000円~300,000円 税込110,000円〜330,000円 |
![]() 挺出 |
矯正の機能を使い、歯の根を少し引っ張り出す方法です。 | 50,000円 税込55,000円 |
![]() 歯列矯正用 咬合誘導装置 ムーシールド |
小さなお子様うちに修正を試みる反対咬合の早期治療です。 治療期間…3〜8ヶ月、治療回数…4〜10回 |
1装置80,000円 税込88,000円 |
![]() 調整料 |
来院ごとの矯正の調整の費用です。通常月に1〜2回程度です。(インビザラインの場合は調整費込) | 3,000円~5,000円 税込3,300円〜5,500円 |
![]() 咬合育形成 |
11歳ごろまで可能な顎を広げて歯を並べる矯正です。 治療期間…3〜4年、治療回数…36〜48回 |
400,000円~500,000円 税込440,000円〜550,000円 |
![]() インビザラインファースト |
小児矯正用のマウスピース型矯正装置。 治療期間…3〜4年、治療回数…36〜48回 |
500,000円 税込550,000円 |
![]() 歯科矯正用 アンカースクリュー |
小さなアンカースクリューを歯ぐきに埋入し、そこをフックにしてワイヤーをかける方法です。通常ではかけられない場所にワイヤーをかけることで歯の動きが早くなります。 (床矯正あるいは歯列矯正用咬合誘導装置終了後に全体矯正をする場合は1装置分の費用は全体矯正の費用の一部とします) 治療回数…1回 |
20,000円 税込22,000円 |
![]() リテーナー |
矯正治療が終った後に、後戻りを防ぐために着ける装置です。 | 片顎10,000円 税込11,000円 |
![]() MFT(筋機能療法) 指導 |
お口の癖を治すための指導とトレーニング、歯科医師によるチェックとアドバイスを行います。 | 30分/3,000円 税込3,300円 |
![]() コルチコトミー |
歯肉を切開し、歯槽骨に切れ目を入れることにより、矯正のスピードを速くしたり同時に歯周病の改善も行う小手術です。 治療回数…1回 |
1ブロック100,000円 税込110,000円 フルブロック600,000円 税込660,000円 |
※マウスピース型矯正装置(インビザライン)はアメリカのアラインテクノロジー社より提供されている、カスタムメイドの矯正装置で、インビザライン・ジャパン株式会社を介して入手しています。インビザライン・システムは、FDA(アメリカ食品医薬品局)の医療機器として認証を受けています。
※マウスピースの材料は厚生労働省の認可を得たものですが、マウスピース型矯正装置(インビザライン)は薬機法の承認を受けていない矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。日本国内にはマウスピース型矯正装置として薬機法の承認を受けているものも存在します。
三宮アップル歯科
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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診療開始 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 |
診療終了 | 18:30 | 18:30 | 13:00 | 18:30 | 18:30 | 17:00 |
※日曜・祝日診療は右記診療カレンダーをご覧下さい。
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