受け口・しゃくれとは、その特徴的な見た目から名付けられた俗称で、歯科用語では「下顎前突」や「反対咬合」と言います。受け口としゃくれの違いは、受け口が「下顎の歯が上顎の歯より前に出ているという咬み合わせ」のことを指し、しゃくれは「下顎が前に突出した見た目の問題」のことを言います。
したがって、受け口でもしゃくれではない人もいれば、顎がしゃくれていても受け口ではない人もおられます。
歯科用語の「下顎前突」や「反対咬合」についても定義が異なります。下顎前突は一般的に、アングル分類という咬み合わせの診断において3級(下顎の第一大臼歯が上顎の第一大臼歯より前に位置している)のことを言います。その中でも下顎の歯が上顎の歯より前に出ている状態を「反対咬合」というため、簡単に言うと反対咬合は下顎前突に含まれていることになります。
受け口やしゃくれ(下顎前突・反対咬合)は、いくつかの原因が絡み合って引き起こされます。
先天的な受け口・しゃくれ(遺伝)以外でも、これらの原因が単独・あるいは重なることによって、後天的に受け口・しゃくれになる場合があります。
受け口・しゃくれ(下顎前突・反対咬合)には、正常咬合に比べて様々なリスクを含んだ咬み合わせとなります。
下顎前突・反対咬合(受け口・しゃくれ)の治療法は主に2つあります。
拡大床やマウスピースを使って、顎の生育を助け、正常な咬合に導くための矯正方法です。下顎前突・反対咬合の場合は、特に成長期の子供や若年層の方が歯列矯正による治療ができる可能性は高くなります。また、下顎前突・反対咬合に限っては、幼少期のマウスピースによる矯正が適用される場合もあります。
下顎前突・反対咬合が軽度な場合や骨格的な問題が少なければ矯正治療で治ることもあります。ワイヤーやマウスピースタイプの矯正装置によって徐々に歯を移動させ、顎の位置を調整する治療です。下顎の歯を後ろに送ったり、上顎の歯を前に出したり、傾斜移動することで咬み合わせを整えていきます。
成人の場合や、矯正治療だけでは十分な改善が見込めない重度の受け口・しゃくれの場合には、口腔外科手術が適応されます。下顎骨を手術で調整し、正常な位置に移動する方法です。手術には入院が必要なため、入院設備のある病院での手術となります。顎変形症の場合、外科手術には保険が適用されます。
ワイヤーとブラケットを使い、上の前歯を前に動かし、下の前歯を後ろに下げることで正常な咬み合わせに導きます。
軽度な受け口であれば、マウスピース矯正により歯を移動し、受け口を治療できる場合があります。
小児矯正の一種で、上顎を床矯正で拡大することで被蓋を作り、反対咬合を改善します。
小児矯正に使用する固定式の装置で、上顎前歯を前方に動かしたり、奥歯を後方に移動します。
上顎を前方に牽引し、上顎の成長を促進させることで反対咬合を治療します。
舌癖や口腔悪習癖を改善し、顎の正常な成長を助ける矯正装置です。
子供の矯正は、一般的に混合歯列期という乳歯と永久歯が入り混じった時期に検討します。しかし、受け口に関しては、幼児期から治療を始めることで、早期に解決できる可能性があります。
幼児期から見られる受け口は、歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)というマウスピース型の矯正装置を使い、3歳ぐらいから治療が可能となります。
すべての下顎前突・反対咬合に対して有効な治療ではありませんが、ムーシールドで治療が可能な場合、将来的な外科手術を回避できる他、痛みが少なく治療ができたり、小児矯正に比べて短期間で治療ができることもメリットと言えます。
お子様の咬み合わせが「受け口かも」と思ったら、お早めに歯科医師に相談しましょう。
Before
Process
After
治療の内容 | ワイヤー矯正(マルチブラケットシステム)と矯正用ミニインプラント2本による歯列矯正。 |
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期間・回数 | 2年5ヶ月・36回(カウンセリング・検査含む) |
費用 | 自由診療:ワイヤー矯正(マルチブラケットシステム)+矯正用ミニインプラント✕2本 総額 805,000円(税込885,500円)(調整料27回分含む) |
リスク・副作用 |
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受け口・しゃくれは見た目も去ることながら、発音や咀嚼など、日常生活や健康にも悪影響を及ぼす咬み合わせです。また、お子様に至っては、用紙や発音の悪さから、からかわれたりイジメの原因になることも考えられます。
それだけではなく、過去に東京歯科大学による8020(80歳で20本の歯を保つ)の達成調査において、反対咬合の達成者は0%であったという結果があります。
これはつまり、受け口・しゃくれの場合80歳になったとき、高い確率で自身の歯が20本以下になってしまうということです。それだけ、歯を長く保つことが難しい咬み合わせといえるでしょう。
心の健康、身体の健康、歯の健康のためにも、受け口・しゃくれは治療した方が良い咬み合わせだと考えられています。
※1)8020達成者の咬合分類 上下顎前歯の前後的関係は正常84.6%、上顎前突15.4%、反対咬合0%であった。
受け口やしゃくれが良くないことがわかっていても、いざ治療しようと思っても、なかなか踏み出すのは難しいのもよくわかります。
「受け口・しゃくれだけど、矯正だけで治るのか」「費用が気になる」「手術は怖い」「子供の受け口を治したいけどいつから始めればいいのかわからない」など、治療を始める前に聞いておきたい・知っておきたいことはたくさんあると思います。
それでも、もし受け口やしゃくれを治したいと思うのであれば、勇気を出して一歩を踏み出す必要があります。
歯科医師に、ご自身やお子様の場合、どんな治療が必要で、費用や期間がどの程度かかるのか、まずは相談することから始めましょう。当院では、そんな受け口やしゃくれでお悩みの方が気軽に相談できるよう、無料相談も承っております(ご予約時に矯正無料相談希望とお伝え下さい)。お気軽にご利用下さい。
三宮アップル歯科
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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診療終了 | 18:30 | 18:30 | 13:00 | 18:30 | 18:30 | 17:00 |
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※日曜・祝日診療は下記診療カレンダーをご覧下さい。
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