一般的に、高齢になるにつれ、歯肉の量が減ってしまうため、ご年配の方ほど歯が抜けやすくなる傾向があります。 中には「年々、歯が長くなっているように感じる」、「歯茎が痩せた気がする」という方がいらっしゃいますが、実際に歯が長くなっているのではなく、歯肉の量が減ることで、上の歯の歯肉は上に、下の歯の歯肉は下に落ちているため、歯が長く伸びているように感じる方が多数です。
歯肉が減ると当然、歯はグラつき、最終的には抜けてしまうという事態に陥ります。
また、歯肉が減るということは、見た目の問題だけではなく、歯の根元が露出することでむし歯になる可能性も高くなります。本来、歯の表面はエナメル質という組織に覆われています。エナメル質の厚みは2〜3mm程度しかありませんが、刺激を敏感に感じる象牙質という組織を覆うことで、酸性の食品など刺激が強い食べものによる刺激から歯を守る役割を果たしています。しかし、歯の根元まではエナメル質で覆われていないため、露出してしまうとむし歯が繁殖しやすくなってしまいます。進行した虫歯も歯が抜けやすくなる原因につながります。
歯肉が減る原因としてまず考えられることは、歯周病です。歯周病は歯と歯茎の隙間に歯周病菌が繁殖し、毒素を出すことで、歯肉が炎症を起こす病気ですが、進行すると歯肉が退縮するため、歯と歯茎の隙間がどんどん広がって大きな溝となります。さらに重度になると、歯を支えている歯槽骨が溶けていくため、上の歯の歯肉は上がり、下の歯の歯肉は下がります。
歯周病は、国内の成人の(大袈裟に言うと)8割以上が罹患している(※1)といわれるてもおり、高齢になるほど症状が重くなるケースが多いです。
※1)日本人の歯周疾患の実態(「8割が歯周病」とは?)。
永久歯は一度失ってしまうと二度と生えてくることはありません。
そのため、患者様のためにも可能な限り歯を残す治療が望ましいのですが、歯周病が悪化して、歯槽骨が溶けることで歯がグラつくようになってしまった場合、抜歯という手段を選択せざるを得ないこともあります。
もし仮にグラついた歯を「残す」ことを選択した場合、問題となっている歯だけでなく両燐の歯を支える歯槽骨にまで広がることで、残せたはずの歯も抜歯になることもあります。実はこの歯周病、日本人の歯が抜ける原因の第1位なのです(※2)。歯周病とはそれほどまでに恐ろしい病気なのです。
※2)抜歯の主原因別の割合で最も多かったのは歯周病(37.1%)、次いでう蝕(29.2%)、破折(17.8%)、その他(7.6%)、埋伏歯(5.0%)、矯正(1.9%)の順となった。
高齢になるほど、唾液の量も減少する傾向があります。唾液は口の中を潤してくれるだけでなく、自浄作用といって口腔内の汚れを洗い流すはたらきや、抗菌作用があります。唾液の分泌量が減るということはプラークが停滞することにもつながるため、むし歯になりやすくなります。むし歯が進行すると、歯の内部や根本まで破壊されます。根管治療などを施しても解決できないほど重度な状態である場合、抜歯という選択になる可能性があります。
高齢になるほど抜歯リスクは高まる傾向にあるため、少しでも歯に違和感を感じたら歯医者さんに相談することが大切です。歯は両燐の歯と支え合って自立しているため、1本でも抜けると隣の歯が徐々に傾き、倒れ込んできます。そしてそれは連鎖的に歯を失うリスクにつながることもあるのです。「1本くらいなら失っても大丈夫だろう」と判断するのは危険だと言えます。
歯周病やむし歯の進行を防ぐためにも、日頃から歯のメンテナンスは欠かせません。
日頃から丁寧な歯磨きを心がけることは大切ですが、いくら頑張って歯磨きをしていも、磨き残しをゼロにすることは難しいと言われています。さらに、磨き残しはその後歯石となり、ご自身では除去できない歯周病菌の巣窟となってしまうのです。
「何も悪いところがないのに歯医者?」と、思われる方もおられるかもしれませんが、昨今ではそれがスタンダードになりつつあり(※3)、日本人の2人に1人以上が1年以内に少なくとも1回以上歯科検診を受診されています。ご自身の歯を末永く使いたいと思うのであれば、ぜひ3ヶ月に1度程度、検診や予防で歯科のご利用をご検討下さい。
※3)過去1年間に歯科検診を受けた者の割合は 52.9%であり、平成21年、24年、28年の推移でみると有意に増加している。性・年齢階級別にみると、男女とも年齢が高い層でその割合が高い。
三宮アップル歯科
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