インプラント治療、老後はデメリットが多い?

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老後のインプラント治療:デメリットと注意点を解説

老後のインプラント治療の是非について

老後に受ける抜けた歯の治療

年齢を重ねると、歯周病などの影響で歯が抜けてしまう機会が増えてきます。基本的に歯が抜けた後の治療は「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」のいずれかになります。

ブリッジは適用できる状態が限られるため、単一の歯を治したいのであれば入れ歯かインプラントを歯科医師に勧められることが多いと思います。入れ歯は保険診療で負担も少なく治療できますが、インプラントは外科手術を伴う自由診療の治療です。

こういったことからインプラント治療には興味があるが中々踏み出せないという高齢の患者様もおられますし、老後のインプラント治療に関するデメリットも心配な方が多い印象があります。

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歯を失う年齢とその数

年齢を重ねると歯が無くなってしまうという事は、単純ながら調査でも明らかになっています。2016年に行われた歯科疾患実態調査では、60歳を超えると約80%の人が少なくとも1本以上の永久歯を失っており、年齢とともに抜けてしまった歯の数が増加しています。調査が行われる度にその割合は減っていますが、高齢ほど多くなるのは変わりありません。(※1)

つまり、インプラント治療を受けることを検討しなければならない患者様は高齢なほど多いということになります。老後にこそ考える機会が多くなるインプラント治療ですが、どんなデメリットがあるのでしょうか。

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平成28年 歯科疾患実態調査結果の概要より独自に作成

参考文献※1)5歳以上の多くの年齢階級で、喪失歯を有する者の割合(喪失歯所有者率)は、過去の調査より減少する傾向を示し(表14、図14)、1人平均喪失歯数も減少する傾向を示した(表15、図15)。

老後のインプラント治療のデメリット

費用や期間がかかる

インプラント治療は基本的に自由診療の治療となります。保険適用ができませんので、治療にかかる費用は全て患者様の負担となります。歯科医院によって費用は変わりますが、1本あたり30〜50万円程度が相場だと考えられます。

そして、インプラント治療は期間の長い治療です。埋め込んだインプラントが骨と結合するのを待つ必要があり、個人差はありますが3〜6ヶ月ほどかかります。ですので、保険診療で比較的早く装着できる入れ歯とは対極にある治療とも言えます。

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外科手術を受ける体力が必要

インプラントを埋め込むために顎の骨に穴を開ける必要があり、外科的な処置が行われます。外科手術といっても、入院などが必要な大げさなものではありません。侵襲(身体への負担)は抜歯と同程度です。しかしあまり高齢になると持病や服薬の問題も多くなり、手術が難しくなることもあります。

また、治療期間が長くなる・メインテナンスが必要ということを考えると、定期的に歯科医院に通うことができる体力がなければインプラント治療は難しいかもしれません。

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骨の量が少ないと治療を受けられない

歯周病が進行すると顎の骨はどんどん痩せていきます。これは歯周病菌が歯茎だけでなく骨にまで影響を与えて、骨の再生を妨げてしまうからです。結果として歯を支えていた骨が無くなり、歯も抜けてしまいます。

元々あった歯を支えられないほどに痩せてしまった顎の骨にインプラントを埋め込むのは難しくなります。ですから、骨の厚みが薄い方や骨が痩せてしまった方、骨粗しょう症をお持ちの方は治療を受けられない場合があります。

当院では足りない骨を作る骨造成という手術も行ないますが、これはどの歯医者でも受けられる治療ではありません。トレーニングを積まなければ難しい施術のため、歯科医院によって出来る出来ないはあります。また、骨造成は難易度が高いだけでなく、骨造成を含むインプラント治療は通常のインプラント治療と比較してより細やかな術後のケアが必要になります。(※2)

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参考文献※2)歯周炎患者に対してインプラント治療を行う際、骨造成を併用せざる得ないことが多く、骨造成を併用する際には経年的なインプラント周囲骨吸収が増加する傾向が認められた。

老後のインプラント治療のメリット

老後にこそ必要なインプラント治療

インプラント治療には上記のようなデメリットや条件がいくつかありますが、歯が抜けるようになるのは高齢になってからですので、インプラント治療を必要としている方や実際に治療される方の多くが高齢の方になります。ですから、高齢であっても絶対に受けられない・成功しない治療というわけではありません。もちろん、その方の身体の状態が重要にはなりますが、当院でも80歳を超えた方のインプラント治療も承っています。

そして、近年では、歯があることによって高齢者が受けられるメリットが大きいこともわかってきています。健康寿命を考える上で、インプラント治療はその一助となるかもしれません。

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しっかりと噛むことができる

歯が少ないと食物を噛む力(咀嚼能力)が落ちます。特に奥歯は食物をすり潰すのに欠かせない大事な歯ですが、最も早く失いやすい歯でもあります。

咀嚼能力が落ちると、しっかりと消化できず栄養を充分に摂取できなくなったり、身体の免疫機能が落ちて全身的な疾患になりやすくなることが明らかになっています。(※3)

全身の機能を維持するためにも、歯が生えている事は重要になるため、歯が抜けてしまった後にインプラント治療で咀嚼能力を回復させることには意味があります。

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参考文献※3)一方、近年の研究では、食の文化に基づいた歯応えと風味がある食物の十分な咀嚼は、心身の成長の促進、脳の活性化とリラックス作用、食物の発がん物質の発がん性の減弱、活性酸素の消去、肥満の抑制、糖尿病治療効果の向上、運動機能の向上、骨粗鬆化の抑制、脳の損傷や老化のリハビリテーション効果などにつながることが確認または示唆されている。

認知症リスクを下げられる

同じく、歯を失う事で咀嚼能力が低下すると、認知症やアルツハイマー型認知症になるリスクが高くなると言われています。(※4)認知症患者数は世界的にも増えており、どなたにも起こり得る病です。少しでも対策をするためには、歯の数を保ち、咀嚼をしっかり行うことがとても重要です。

天然の歯が失われたとしても、入れ歯やインプラントによって咀嚼機能を回復することが重要です。

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参考文献※4)アルツハイマー病の症例対照研究が日本で実施されました。性別と年齢が一致した60のケースが含まれ、それぞれ2つのレジデントコントロールが含まれていました。この研究では、ライフスタイルが特に強調されました。多くの要因の中で、心理社会的不活動、身体的不活動、頭部外傷、歯の喪失、低学歴の5つが重大な危険因子として受け入れられました。主要な要因の相乗効果を評価するために、複数のロジスティック モデルが適用されました。いずれの要因も持たない人に比べて、すべてを持っている人はアルツハイマー病を発症する可能性が934.5倍高かった。

外見を若々しく保てる

歯がしっかりと並んでいることで、口元の膨らみや見た目が自然になるので、若々しい顔貌を保つことができます。

入れ歯治療でも歯を並べる事はできますが、留金(クラスプ)や樹脂素材が目立ってしまうため、歯の見た目まで綺麗にしたいという方にはインプラント治療がお勧めできます。

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老後のインプラント治療の要点

注意すべき点

  • 費用や治療期間を把握する必要がある
  • 全身疾患がある場合はかかりつけ医と相談する
  • 外科手術と定期的な通院が可能かどうかを確認する
  • 充分な顎の骨があるかどうかをCT・レントゲンなどで確認する

インプラント治療の利点

  • 歯があることで咀嚼能力が維持できるため、身体的な健康も保つことができる
  • しっかり噛めることで、消化機能の低下を防ぎ、認知症のリスクを下げられる
  • 入れ歯がなく歯並びが揃うことで若々しい印象を保てる

治療ができるか、まずは相談

老後のインプラント治療には少なからずデメリットは存在しますが、高齢の方が全く受けられない治療ではありませんし、治療することで受けられる大きなメリットもあります。

三宮アップル歯科では骨の少ない方に対しての骨造成の治療やインプラント治療の相談も行っております。インプラント治療に関してお悩みの方はご相談ください。歯科医師がインプラント治療が必要かどうか、治療が可能かどうか判断して説明いたします。

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この記事の編集・責任者は歯科医師の西端 大祐です。
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インプラント治療、老後はデメリットが多い? | 公開日: 2022/11/09 | 更新日: 2023/04/21 | by 三宮アップル歯科

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