義歯になった患者さん、義歯をされておられる患者さんからよくこんなご相談を受けます。「前の歯医者がだめだった」とか「もっと持つような入れ歯にして」という内容です。
義歯が合わなくなる理由は大まかにわけると2つの原因が考えられます。一つは義歯の破損。継続的な噛む力による変形や損傷、取り扱い方法を誤ったり、落下等による破損など、物理的な力により壊れてしまう場合です。
もうひとつは顎(あご)が退縮・変形してしまうなど、ご自身の口腔内の環境が変わってしまうために起こる不具合です。
義歯が合わなくなって来られるほとんどの患者さんは、「義歯が悪くなった」と思って来られます。しかし、物理的な損傷以外で義歯が合わなくなる理由の多くは、後者の顎の退縮・変形による「自身が原因」であることをご存じない場合があります。
顎の退縮・変形とは、骨が吸収されるために起きます。顎が吸収される原因は人によって異なることもありますが、歯の喪失や歯周病、骨粗しょう症がその要因とされています。歯周病で歯ぐき痩せてしまったり歯を喪失すると、歯と歯の間に隙間ができます。食物が隙間に強く押し込まれる状態のことを食片圧入と言い、これが骨の吸収につながる原因であると言われています。また、歯周病が進行すると、歯周病菌が歯槽骨まで到達し、歯槽骨を破壊していきます。これらのいくつかの要因が合わさることで、顎の骨は吸収されてしまい、義歯の不具合につながってしまうのです。ある研究では、特定の骨吸収に対して食片圧入と早期接触が骨吸収の初発と進行に大きく関与していることを示唆していると発表されています(※)。つまり、歯がないところに圧力が加わることと、咬合の崩れから起こる咬み合わせの不具合が、骨吸収に大きく影響しているとも言われています。
つまり、「この間作ったばかりなのにもう合わなくなった」ということは「退縮のスピードが早かった」ということになります。
※1垂直性骨吸収の部位にみられた食片圧入,および早期接触の割合は,それぞれ55%と69%で,高い値を示した。この結果だけから,これら二つの現象が垂直性骨吸収に対して原因であるのか結果であるのか断定はできないが,調査結果は,二つの因子がそれぞれ単独で,あるいは合併して垂直性骨吸収の初発と進行に大きく関与していることを示唆している。
義歯も年々良いものができてきていますので、自由診療の精密な義歯もたくさん出来てきています。壊れにくいもの・食物の熱を感じやすいもの・咀嚼力の高いものなど、義歯の使用感は間違いなく改善されてきています。しかし、残念ながら自身の顎の「退縮・変形」だけは止めることはできません。多少長持ちすることはできても、いずれ合わなくなり、調整が必要になってくるでしょう。では義歯に高いお金をかけても無駄なのかというとそうではありません。それらは日常の会話や食事、毎日の生活を良くしてくれるには充分な働きをてくれます。それは「食事を採る」という行為のみではなく、「咀嚼」を行うことで脳の老化を予防したり、見た目に配慮することで自分に自身を持って生活を送るためにも役立ちします。
ただ単に「いずれ合わなくなってしまう」というだけなです。多少の不具合が出ても調整しながら使っていけば、通常の義歯に比べてストレスが軽減されるということは、十分なメリットになると思います。
歯が抜けた後の治療法として、説明を受けるのはインプラント・義歯・ブリッジの3つがあります。中でもインプラントは独立して咬み合わせを維持することができるため、他の歯を傷つけることのない使用感の高い治療です。ですから歯肉も入れ歯のように退縮することもなければ、ブリッジのように健康な歯を削る必要もありません。後になって「入れ歯が合わなくなるストレス」を感じたくないのであれば、インプラントを選択せざるを得ないかもしれません。もちろんその人のキャラクターや要望などにもよりますが、私が私の家族に「歯が抜けた後の治療」をするのであれば、間違いなくインプラントを薦めます。ただしインプラントは費用がかかってしまうため、出来れば欠損が少ない内にインプラント治療をし、周りの歯がこれ以上悪くならないように歯科とセルフケアで予防をしていく。他の歯を守るための治療としての選択肢として考えましょう。
欠損部位(歯を失ったところ)にインプラント埋入する治療です。
欠損部位の隣り合う歯に橋のように歯を架ける方法です。
失った歯部分に床やクラスプ(留め金)などを使って装着する方法です
三宮アップル歯科
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