顎の骨を再生する歯科治療 GBR法(骨誘導再生法)

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インプラント治療における骨造成について

GBR法とは

歯科治療の分野では、失われてしまった顎の骨を人工的に再生させる治療法がいくつかあります。GBR法とは「Guided Bone Regeneration(骨誘導再生法)」という治療方法の略称で、インプラント治療を行う際に骨の幅や高さが足りない時に行われる治療です。

インプラント治療を行うためにはネジのような形をしたインプラント体を顎の骨に埋め込む必要がありますが、充分に埋め込むための骨が足りず、インプラント治療が行えない患者様も中にはおられます。

そのような患者様でも、GBR法によって骨を再生することでインプラント治療が可能になる場合があります。

GBR法のイメージ

顎の骨が無くなる理由

抜けた歯をそのままにしていると、歯を支えていた骨は急激に痩せていきます。これは歯から伝わっていた刺激が無くなることで骨の代謝(リモデリング)が起こり、歯があった頃と比べて骨の量が少なくなってしまいます。(※1)

抜けた歯の放置の他にも、入れ歯やブリッジをしている箇所でも骨の代謝は発生します。歯としての機能が果たせていても、骨に直接力が加わっていなければ骨の形は変わっていってしまいます。

骨の代謝は病気ではなく人間に備わった機能ですが、その他にも歯周病の影響によっても骨は溶けてしまうことがあります。歯周病による骨の吸収は歯が残っている状態から引き起こるので、骨が大きく溶けてから歯が抜けるという違いがあります。

顎の骨が痩せている模型

参考文献※1)この下顎骨の外形は成長発育に伴い次第に大きくなる。しかし、歯が喪失すると、その機能の変化に伴い下顎骨各部にリモデリングが起こり、外部形態が大きく変化する(図1)。骨の吸収には個体差がみられるが、同個体においても部位によって吸収程度が異なる。特に歯槽部での変化が著しく、骨吸収により歯槽部が消失していく。

GBR法の流れ

骨補填剤を入れる

顎の骨が失われた箇所は、そのままでは骨が再生することはありません。骨の再生を促すために自家骨移植や人工の骨補填剤と呼ばれる材料を使って骨の再生を促します。

骨補填剤は人工的に作られたものですが、人体に吸収される素材(吸収性)と非吸収性の骨補填剤があります。吸収性の素材は顎の骨が再生されて馴染んでいく過程で、次第に自分の骨と置き換わっていきます。

非吸収性の骨補填剤は自分の骨に置き換わりませんが、充分な骨の量を長期間維持してくれるという利点があります。

GBR法 骨補填剤

メンブレン膜で遮断する

ただ骨補填剤を入れるだけでは顎の骨は再生しません。それは、顎の骨と歯肉が隣り合っており骨よりも歯肉の再生が早いため、自然なままだと骨を再生したい部分に歯肉の組織が再生してしまうからです。

そのため、骨補填剤を入れた後メンブレン膜(GTR膜とも呼ばれます)を使って骨と歯肉を遮断します。そうすることで、骨を再生させるための充分なスペースを確保します。

GBR法 メンブレン膜で遮断

骨が出来るまで安静にする

骨が再生する速度は早くないため、GBR法を行った後も待つ時間が必要になります。具体的には手術後4ヶ月〜6ヶ月ほど安静にして待つ必要があります。

GBR法とインプラント体の埋め込みを同時に行った場合、個人差はありますが6ヶ月〜1年程度で再生した骨とインプラントを結合させることができます。

GBR法の免荷期間

GBR法のメリットとデメリット

GBR法のメリット

GBR法などの骨造成手術を行うことで、それまで受けられなかったインプラント治療を受けることが可能になります。

顎の骨が痩せてしまっている方は、入れ歯もしくは歯が抜けたまま放置していた方が多いと考えられますので、咀嚼能力の向上やお手入れの煩わしさが無くなります。

GBR法のデメリット

骨造成手術は非常に期間の長い治療になりますので、定期的な通院や丁寧なメインテナンスが必要になります。

また、骨造成をして再生した骨も次第に吸収されていくほか、治療後に合併症を発症するリスクがあります。(※2)ですから、治療が終わった後も細かなチェックを欠かすことはできません。

参考文献※2)また骨移植、GBRともに移植後の骨吸収の問題が挙げられる。第二の問題点は骨造成部の被覆粘膜の不足である。移植が広範囲にわたる場合、軟組織の減張は必至であり、それに伴う創哆開と移植骨の感染のリスクが付きまとう。

GBR法以外の骨造成手術

サイナスリフト

GBR法は骨の幅や高さが足りない時に行われる骨造成ですが、上顎に入れるインプラントは別の骨造成が必要になる場合があります。上顎の上には上顎洞という空洞があり、お口の中とは基本的に歯槽骨で隔たれています。この隔てている骨が薄いとインプラントを埋め込むことはできません。

そういった場合は、上顎洞にあるシュナイダー膜と呼ばれる部分を持ち上げて空いた隙間に骨補填剤を入れることで、インプラントを埋め込むスペースを確保します。

サイナスリフトは、手術予定の歯の横側の歯茎からシュナイダー膜を持ち上げて骨補填剤を入れる方法です。骨を増やせる量が多いので、上顎の骨がとても少ない場合に選ばれる骨造成です。

サイナスリフト

ソケットリフト

ソケットリフトは、比較的上顎の骨がある場合に選ばれる方法です。サイナスリフトと違って歯のあった箇所からシュナイダー膜を持ち上げて、部分的に骨の量を増やしていきます。

サイナスリフトに比べて手術による負担が少ないのが利点ですが、増やせる骨の量は限られているので、CT・レントゲンによって骨の量を確認したうえで治療を選ぶことになります。

基本的にこれらの骨造成手術は難易度が高いため、治療可能な歯科医師・歯科医院は限られています。当院ではソケットリフト・サイナスリフトのどちとも十分な治療実績がありますので、お悩みの方はご相談ください。

ソケットリフト

骨造成でインプラント治療を実現

ソケットリフト・サイナスリフトが出来る歯科医院は限られていますが、GBR法を含めた骨造成そのものを行っていない歯科医院も多くあります。そのため、骨が痩せているとインプラント治療を断られるケースも少なくありません。

当院ではそういった患者様でも治療を受けることができるように、骨造成を含めたインプラント治療をご提案することができます。

骨が足りないとインプラント治療を断念してしまう前に、一度ご相談ください。歯科医師が治療可能か診察したうえで、治療方針を説明いたします。

歯科医師のカウンセリング
この記事の編集・責任者は歯科医師の西端 大祐です。
三宮アップル歯科 院長
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顎の骨を再生する歯科治療 GBR法(骨誘導再生法) | 公開日: 2022/11/16 | 更新日: 2022/11/18 | by 三宮アップル歯科

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