「歯並び矯正」というと、銀色のワイヤーが口の中で光る、そんなイメージをお持ちの方も少なくないと思います。
ところが、最近ではそんな気になる見た目の「ワイヤー」や「マルチブラケット」という装置を使わない、マウスピース矯正が増えてきています。
例えばアップル歯科においては、2019年から2020年にかけ、マウスピース矯正の患者様は6倍にもなりました。
ではなぜマウスピース矯正は増えてきたのでしょうか。そして、ワイヤー矯正と比べてどんな違いがあり、治療効果にどれだけ差がでるのでしょうか?
マウスピース矯正は「目立たない」「外せる」という利点から、これまで仕事や日々の生活において矯正ができなかった人もできるようになったところが大きいと思われます。これまでできなかった職業でいうと、接客業・芸能人・スポーツ選手などがあげられます。
接客業や芸能人が歯列矯正をできなかった理由の大きなところは、その見た目です。やはり人前に出る上で「矯正装置」というのは、見る人からしても気になってしまいます。例えばテレビ番組などでは、オーディションで矯正装置をつけていれば、そういう役でもない限り、選ばれる確率を下げる要因になるのではないでしょうか?
また、滑舌も理由の一つです。ワイヤー矯正は時としてゴムで開口を制限する段階もあります。そうなるとやはり滑舌に問題生じ、人前で話す方にはデメリットになります。
スポーツ選手においては、「怪我」や「食いしばる」ことが大きな問題になります。矯正をしていると、顔にボールや道具が当たれば怪我をしやすいですし、食いしばることが重要なスポーツにおいて、矯正のワイヤーは時としてパフォーマンスを下げる要因になることも考えられるためです。
マウスピース矯正が増えたのは、これらのデメリット・リスクを回避できる装置であることが理由の一つだと考えられます。実際、最近では、すべらな◯話で芸人さんがマウスピース矯正のエピソードを語ったり、メジャーリーグで活躍している大谷選手もマウスピース矯正をしていることでネットで話題になっています。
身近なエピソードでいうと、当法人理事長がテレビでマウスピース矯正の説明をした際、同番組のゲストできていた元阪神タイガースの井川投手が「実は私もしています」とタイムリーにマウスピース矯正をしていると打ち明けた際、実はその番組の司会の方もマウスピース矯正をされていたという話もあります。
また、もう一つの大きな要因として挙げられるのが、マウスピース矯正装置自体の進化です。アップル歯科では、2016年からインビザラインというマウスピース矯正を取り扱い始めましたが、実はこの頃、積極的に患者様に提供はしていませんでした。それはやはり当時その装置でワイヤー矯正のように思い通り歯を動かすことが、当院の技術では難しかったからです。
ところが2018年ごろから、勉強会やセミナーでインビザラインの精度がかなり良くなってきていることが私たち歯科医師仲間の間でも話題となり、iTeroという光学式口腔内スキャナーの登場により、多くの患者様において適用が可能になったことから、当院でも該当症例が増え始め、治療可能な患者様はワイヤーではなくメリットの多いマウスピース矯正を選ばれるようになりました。
これらは、ひとえにインビザラインを製造しているアラインテクノロジー社の企業努力によるものです。インビザラインはこれまでの治療DATAを全て蓄積・分析し、改善を重ねて日々進化させていったためです。現在では1000万人以上の治療実績を誇り、その治療成果や経過がビッグデータとなり、今後の治療にまた生かされていくという仕組みです。そのため、インビザラインは治療患者が増えるたびに、その精度を増す要因となるという効率的なPDCAを行っていると考えられます。
3つ目の理由としては、矯正装置を扱う歯科医師側の問題です。矯正というのは、患者さんの今後の人生に大きく関わる治療です。そのため、歯科医師としては少しでも良い結果を得られるよう治療計画を熟考することが努めです。
そこに現れたのが、上記でも触れた「iTero」という機械です。この機械のすごいところは、マウスピース矯正を行う上での「予測」「計画」「管理」「観察」等、あらゆる必要な情報が得られるところです。シミュレーションから始まり、治療計画をDATAを使って作成し、経過を見ながら歯の動き管理することができる優れものです。
これらの補助的な機械があることで、歯科医師はより正確に診断が可能となり、マウスピース矯正による治療の可否を判断することができるようになりました。
また、歯科医師側もマウスピース型矯正装置の有効性を理解し、技術や知識を習得し始めたのも大きな要因です。最初は当院と同じようにマウスピース矯正に懐疑的であった矯正医も、多くがこの装置を取り扱い、その有効性を認めはじまたことから、マウスピース矯正人口はどんどん増えてきていると考えられます。
とはいえ、マウスピース矯正にもデメリットやリスクがあります。歯を動かす以上、ワイヤー矯正と同じく歯根吸収や歯肉の退縮の可能性は否めません。また、治療後の保定は必須で、怠れば後戻りしてしまいます。
さらに、iTeroのような高機能な機器のおかげで、矯正治療の知識に乏しい歯科医師も治療ができてしまうということも一つの問題です。
ワイヤー矯正の場合、矯正を専門的に学んだ歯科医師や認定・専門医でなければ、思い通りに咬み合わせを整えるのは難しい治療でした。ところがマウスピース矯正の場合、iTeroを使うことにより軽度の症例であれば、矯正の知識が乏しい歯科医師でも治療ができてしまう場合があります。
それでも、「診断」や「計画」という点においては、矯正や咬み合わせについての知識がなければ、いくらiTeroを使ったところできちんと治療ができないこともあります。その結果、マウスピース矯正をした結果「出っ歯になった」「咬み合わせがおかしくなった」というトラブルがある一定数発生しているのも事実です。また、装置のメーカーも多様な種類が出ていますが、しっかり歯を動かせる装置は、そう多くはないので、装置選びに失敗してしまうと、矯正自体がうまくいかないと言うケースも少なくありません。
WEB上の多くの記事を見ていると、マウスピース矯正はワイヤー矯正より優れた治療であると思われる方もおられるかもしれません。しかし、現実的にはまだまだ治療の精度としてはワイヤー矯正の方が優れているところも多く、ワイヤー矯正でなければ治療できない症例もまだまだあります。
その中で、一部症例においてはマウスピース矯正の方が得意とするものも出てきたこと、患者さんのQOL(生活の質)を考えれば、多少のデメリットは理解した上でマウスピース矯正の方が良い場合などがあるというのが現状です。
そこで重要になってくるのが「あなたにとってどの装置が良いのか」というところになってきます。大切なのはきちんと歯並びを整え、咬み合わせを作ることで、矯正装置はその手段でしかありません。それをきちんと診断してくれる歯科医師にお願いすることが大切で、濫りにマウスピース矯正を薦めてくるのではなく、しっかり審査・診断をした上で、説明をしてくれる歯科医師と、相談しながら決めていただければ、矯正後のあなたの人生をより良くしてくれる歯並びを手に入れることができるのではないかと考えます。矯正治療は、信頼できる歯科医師選びがとても大切な治療と言えます。
三宮アップル歯科
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